コラム

東京オリンピック開会式を彩ったドローン1,824台とその後に描かれる未来

東京オリンピックを彩ったドローン1854台とその後に描かれる未来

 

2021年7月23日、新国立競技場にて東京オリンピックが開会されました。

 

その式典で注目されたのがドローンでオリンピックのエンブレムなどを空中で表示するような演出でした。非常に鮮やかな演出で一目見れば「ドローンすごい!」と言えるような演出でしたが、今回はどのようなドローンが使用されて、どういう人たちが取り仕切って素晴らしい演出がされていたのでしょうか。

 

その詳細を見ながら、今後の国産ドローンでこれらのことが出来る環境があるのか。そして今後当たり前にドローンパフォーマンスが見れるようになるのかということも考えていきたいと思います。

 

東京オリンピック開会式を彩ったドローン

2021年の東京オリンピック開会式の中で最も印象に残っているシーンのひとつに挙げられると思われるのが、ドローンによるプロジェクションマッピングにも思えるような素晴らしいの演出でした!

 

今回の演出には1800台以上のドローンが使用されており、ドローンがシステムによりコントロールされ、プログラミングされた内容通りにフォーメーションを組みながら複数の異なった演出が行われました。

 

実際の映像をご覧ください

 

 

今回使用された機体はアメリカのIntel社製のドローンで"Shooting Star"と呼ばれる機体となります。このドローンは前回の平昌オリンピックでも使用されており、今回のドローン演出を行ったチームも海外の同じチームが行ったと言われております。尚、費用的にはおよそ約600ドル/1台と言われており、約1,800台ということはおおよそ1億2,000万円程度の費用と思われております。

 

今回は既に実績のあるチームが行っているということで、非常に安心感を持った演出がされていたと思います。また日本ではこのような壮大なドローンの演出も一部の大きなスタジアムやフェスティバルの演出では見ることが出来てきましたが、まだ珍しいものと感じる方が多数だと思います。

 

その一方でドローン最大手のDJI社がある中国。特にそのお膝元でもある深圳という都市では数年前から頻繁に演出が行われており、今回の演出よりも繊細な演出が行われたりしています。深圳は既に数年前から国家戦略特区として先進都市として都市全体が様々な面で優遇されながら急激な成長を遂げてきた都市であります。そんな環境で成長してきたDJIのドローン技術は国産ドローンの2周も3周も先を進んでいる状況です。このような部分には国産ドローンも国内各メーカーがタッグを組んで追いついていって欲しいのが現状です。

 

ただ国産ドローンメーカーも徐々に追いつこうと開発を進めているのが昨今の国産ドローン市場になります。ソフト・システム面ではドローン専業として上場しているASCLなどを筆頭に自律飛行の分野では研究が進んでおり、楽天などとの協業により配送の実証実験なども確実に積み重ねが行われております。

 

そしてハード面ではまだまだDJIなどとは遠い位置にはありますが、徐々に国内大手企業もドローンへの力を入れてきています。通信大手のKDDIは配送用ドローンの開発や水陸両用のドローン開発。そしてSONYは風速20mでも飛行することが出来るという"Airpeak"を発表して注目を集めるなど、6月に幕張メッセにて開催されたJapanDrone2021の展示では新たな国産ドローンメーカーの取り組みなども肌感で感じることが出来ました。

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このように徐々にではありますが、2022年の改正法の施行なども含めて配送などの実務面に改革が進んできている国内ドローン事情。その中で今回のオリンピックのような大きなエンターテインメントで魅せるドローン、という形でも国内メーカーがシステムなどのソフト面。そしてその延長線上として国産ドローンでの自律飛行も含めた見る人を驚かせるようなシーン。

 

これらが完全国内内製化できる日を夢見ながら、これからも国内ドローン業界を楽しくウォッチングしていきたいと思います。

 

本日もありがとうございました。

 

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